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ストーリーテラーズで「完全フルリモート」な働き方がうまく回っている理由。

ストーリーテラーズ

ストーリーテラーズは、立ち上げ当初から全員が完全フルリモートで働いています。

事務所はありますが、誰かが常駐しているわけではありません。私自身はお客様のところへ伺うこともあるので外に出ていることが多いですが、メンバーはみんな、それぞれの場所で働いています。

コロナ禍で一気に広まったリモートワーク。
とはいえここ1〜2年でまた“オフィス回帰”の流れが強くなりました。

「やっぱり出社しないとコミュニケーションが取りづらい」「リアルじゃないとニュアンスが伝わらない」という声もたくさん耳にします。

それでも私たちは、今でもフルリモートを続けています。


そして、ありがたいことに“この働き方でうまく回っている”と感じています。(と感じているのは私だけだったらどうしよう…笑)

今日は、その理由や背景を、私なりの視点でまとめてみました。

フルリモートを選んだというより「これしかなかった」

ストーリーテラーズを設立したのは2021年。
コロナ禍真っ只中で、私には当時0歳の子どもがいました。

抱っこ紐で抱えながらのミーティング。
泣き始めたらあやしながらの打ち合わせ。

そんな毎日の中で、“出社”という選択肢は初めから現実的ではありませんでした。

創業当初から集まってくれたメンバーたちも同じです。

不登校のお子さんと向き合うために地方へ移住したメンバー
障害のあるお子さんを支えながら働きたいメンバー
海外での生活が好きで、日本と海外を行き来するメンバー

たとえば当社メンバーの平澤は、最初の面接のときはオーストラリア在住でした。そもそも出社どころではありません(笑)。

別のメンバーは長くタイに滞在していたり、はたまた神奈川県に住んでいたり。
本当に“みんなバラバラ”の場所に住んでいます。

だから私たちは、「フルリモートでやるしかない」という状態からスタートしたのでした。

今私たちが今のフルリモート状態でうまく回せているのは、「この選択肢しかなかった」という覚悟の上で、 信頼関係と、徹底した言語化が土台にあるからだと思っています。

チーム全員が“言語化”に本気で向き合っている

ストーリーテラーズの社内コミュニケーションは、ほぼ全てチャットワークです。
社内のミーティングは月に2回。1on1が月に1回。

あとは全て、文字でのやりとりです。

にもかかわらず、大きな食い違いはほとんど起きません。理由は、メンバー全員が、

・相手が読みやすい文章を書く
・意図や温度感をそのまま文字で届ける
・結論のみではなく、必ずその背景も伝える
・余計な誤解を生まないよう、丁寧に整える
・相手が受け取りやすいようにスタンプを活用する


といったことを徹底しているからです。

例えば私は「不明点があればいつでも聞いてね!」ということをたいていの場合最後に付け足すようにしています。

顔が見えないからこそ、文章に配慮を込める。これは“慣れ”ではなく、“姿勢”の問題なのだと思います。

とにかくチャットの量を惜しまない

私たちのチャットは、とにかく量が多いです。

毎日「どれぐらい流れてるんだろう?」と思って数えてみましたが、100通を超えたときからもう数えるのをやめました(笑)

案件の進捗、契約書の確認、社内方針、日々のちょっとした気づき。すべてが細かくグループチャットに分かれており、そこに自然と情報が蓄積していく仕組みにしています。

もちろん、チャットの量が多すぎることで、読み飛ばしてしまうことはあります。だからこそ、

・次のミーティグで取り扱う議題は忘れないようにタスク入力
・「(今日は休日だけど)忘れないうちに送っておきます(確認は週明けでOKです)」を歓迎
・反応はスタンプだけでもOK
・特に私はチャットが多くスルーしてしまうことが多いので「リマインド大歓迎!」「遠慮なくリマインドして!」という姿勢を共有

という運用で回しています。

そして私自身も、社長として、意思決定までの思考のプロセスをできるだけ細かく書くようにしています。

「なぜA案からB案に変えたのか」
「先週やると言っていたものをどうしてその翌週にはやらないことにしたのか」

社長の頭の中では、それら一つ一つの意思決定が繋がっていたとしても、はたから見ている社員にとっては「単に決断がコロコロ変わっている」ようにしか見えません。

ましてや、リアルに顔を合わせない中で、理由を説明しないままチャットの報告だけで方針が変わると、距離がある分だけ不信感につながって当然です。

ですから私自身は、“考えている途中”やそのプロセスも含めて、できるだけ共有するようにしています。

違和感は遠慮しない。溜め込まない。

フルリモートで一番怖いのは、課題や不満が静かに積み上がってしまうこと。そしてそれを一人で抱えたまま、誰にも言い出せなくなり、時が経ってしまうことです。

ですから、私たちは“違和感の言語化”と、それをしっかり周囲に発信することを意識しています。

今仕事がパンパンで、来月これ以上受けると厳しいかもしれない
・現在の仕事の進め方では負担が大きい。チーム体制を見直したい
・このフローは順番を変えてみてはどうか
・このままいくとミスが起きそうな不安を抱えている


そういった声こそ、できる限り早い段階で出すようにしてもらうことで、次回のミーティングで改善が進んだり、チャットの中で新しいやり方が生まれたり、 改善の兆しが見えることもよくあります。

でも正直…この文化に合わない人もいると思います。こんなにコミュニケーションを取るのは面倒だという人もいるはず。

一方で、丁寧にコミュニケーションを取りながら、より良い仕事をしていきたい人にとってはとても働きやすい場所になっていると思っています。(そう思いたいw)

雑談も仕事の一部。生活を共有することの意味

海外にいるメンバーもいれば、子どもが小さいメンバーもいる。
つまり、“急に何か起きる”ことが日常です。

急に子どもがインフルエンザにかかったり、小学校が学級閉鎖になったり、先日はメンバーが、海外の暴動の影響で(偶然その日市内に居合わせただけですが)飛行機が飛ばなくなったり…

だからこそ、普段から、雑談やプライベートの状況の共有が欠かせません。

お互いの状況が見えるからこそ、「じゃあこれは私がやっておくよ」「おそらく来週はできないから今週のうちに前倒してやっておくのでよろしく!」といった話ができ、自然に支え合える。

フルリモートでは、そうしたリアルな生活の情報こそ大事だと感じています。仕事もプライベートも、一人の人の生活の中にあるもの。切ろうとしても、切れなくて当然ですもんね。

「出社できる人」だけが中心になる組織にはしない

私はこれからも、“出社できるかどうか”で価値が決まる組織にはしたくありません。
どこに住んでいても、どんな事情を抱えていても、同じチームとして働ける場所でありたい。

フルリモートは便利そうに見えて、実際にはとても手間のかかる働き方です。
けれど、それは誰かの事情や人生を切り捨てないための手間でもあります。

距離に縛られず、生活と仕事を両立しながら、それぞれが力を発揮できるチームでいたい。
そして、離れていても同じ方向に向かえる組織であり続けたい。

そのために必要な工夫やコミュニケーションのの手間は、他社より多いかもしれません。
それでも私たちは、その努力を惜しまず、自分たちなりの「より良い働き方」をこれからも模索していきたいと思います。

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