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導入事例|ストーリーブックがもたらした採用における効果|SAKURAISEグループHD社長【後編】

SAKURAISEグループHD 粕井

前編では、粕井社長が歩んできた背景と、ストーリーブック制作へ踏み出すまでの心境の変化をお届けしました。

後編では、対談を通じて思い返した“原点”や「100社・1000億円」という大きな目標を公言する大切さ、そしてストーリーブックが採用の現場にもたらした具体的な変化について掘り下げていきましょう。

「よくここまで来れたな」──振り返りがもたらしたもの


高野: 特に小村さんは、創業前から現在までの粕井さんをよくご存じの、貴重な存在ですよね。実際に3名との対談を終えて、どう感じられましたか?

粕井: 対談をして思ったのは、“ご縁の積み重ねで今がある”ということでした。多くの方との出会いや言葉が重なって、なんとか今日まで来られた。改めてそう実感しましたね。

「この場面でこんなことをしてもらったから乗り切れた」
「この言葉があったから進めた」

思い返すと、そんな出来事ばかりでした。

高野: 全ては人のご縁ですよね…。お話を伺っていても、粕井さんが“人とのご縁”をものすごく大事にされている方だというのがよく伝わってきました。一期一会を大切にしながら、関係をつないでいく姿勢が印象的でした。

粕井: それはやっぱり、杉浦さんの影響が大きいと思います。生き方や姿勢から、学ばせてもらったことが本当に多いですね。

あと、対談をしながら、改めて思いました。

自分は、よくここまで来れたな」と。

創業期は売上が立たず、赤字続きで借金を抱えて、事務所の床で寝ていた時期もありました。
社員が辞めていったこともありましたし、とにかく“生き残る”ことに必死で。

ですから当時は10年後、15年後の自分なんて全く想像できませんでした。

高野: あの極限状態を乗り越えたからこそ、今の粕井さんやSAKURAISEグループがあるわけですよね。

粕井: そうですね。あの時期があったからこそ、今調子に乗らずにいられると思っています(笑)。

勝って兜の緒を締めよ」というか、慢心しない感覚は、あの頃の経験がつくってくれたものだと思います。

高野: とはいえ、走り抜けていると、あの頃のことをゆっくり振り返る余裕って、普段はなかなかないですもんね。

粕井: そうなんです。改めて振り返ってみると、あの創業期って、つらいだけじゃなくて…今思うとどこか“青春時代”みたいな、ノスタルジックな、そんな愛しさすらありますね。

とはいえ、もう同じ経験はしたくありませんが(笑)。

1000億円の目標を、公言できた理由

高野: ストーリーブックには、ホールディングスとして「100社・1000億円」の売上目標を書かせていただきました。

あのような大きな目標を発信することについて、粕井さんはどんな心境だったのでしょうか。

粕井: そうですね。対談の中で、i-plugの中野さんから言われました。

粕井さんの中には、本当は明確な目標や原点の想いがあるんでしょう?だったら、それをちゃんと周囲に言っていったほうがいい」と。

言葉にすることで、その思いに共感してくれる人が現れたり、自分自身の意識もより明確になる。

そのアドバイスに背中を押された部分が大きかったですね。

もちろん、1000億と書くのは正直かなり勇気が必要でした。でも、その目標を持っているのは事実で、嘘でも見栄でもありません。

であれば、ちゃんと伝えることが大切だ、と覚悟が決まりました。

高野: 中野さんは、粕井さんのおじいさまへの想いのことにも触れておられましたね。「そういう粕井さんの原点をもっと言ったほうがいい」と、強くおっしゃっていたのを覚えています。

粕井: そうなんです。中野さん自身にも、思いを周囲にさらけ出すようになった転機があったらしくて。

以前にも似たアドバイスをいただいたことがあるんですが、そのときは「周囲に公言していくと、自分も環境も変わっていくよ!知らんけど(笑)!」と言われました。

「知らんのかいっ!」っていう(笑)。

高野: 出た、“知らんけど”(笑)。

粕井: はい(笑)。でも、確かにその通りだと思います。言わないと周りには伝わらないし、言うことで新しい機会が生まれることもある。目標を言葉にするって、とても大切なことですよね。

「本を出した」という事実が持つ力

高野: ストーリーブックをKindleで出版されて、Xにも固定表示してくださっていて…本当にありがとうございます。

率直に、出版してみていかがでしたか?

粕井: やってよかったですね。ブランディングとしても大きな意味があったと思っています。

高野: なんか言わせているみたいですみません(笑)。どんなところで特に効果を感じられましたか?

粕井:本になった」という事実が持つ重みですね。本を出した人、というだけで周囲からの見え方がこんなにも変わるんだなと感じました。

特別なことをしたつもりはなくても、相手の受け取り方が大きく変わるんだ、と。

高野: それは採用面だけでなく、その他の場面でも影響があるということですか?

粕井: そうですね。採用が一番大きいのは間違いないですが、それだけではないです。

うちの場合、常に関わっている取引先だけでも200〜300社ほどあるので、取引先の担当者が読んでくださっていたり、購入してくださっていたりもする。

そういう“広がり方”は、やっぱり本ならではだと思います。

高野: 私も、Kindleや商業出版含めて何冊か本を出していますが、自分が出す立場だと、意外と実感がなかったりするもの。でも周りからの反応を見ることで「やはり本を出したことの威力はすごい」と感じますね。

内定承諾率、驚異の94%!!

高野: 採用の現場でもストーリーブックを積極的に活用頂いているということで、ありがとうございます。

面接の候補者の方が「読んでますます入りたくなりました!」と言ってくださり、最終的に入社された、というお話もありましたね。

粕井: はい。特に優秀な方ほど、複数社から内定が出ているケースが多いので、面接のタイミングでは迷われるのは当然です。

そういう場面でストーリーブックをお渡しすると、かなり効果を実感しています。

正直な話、当社の内定承諾率はとても高いんです。
普通は半分くらい辞退されると聞きましたが、うちは1年間で辞退されたのは1名だけ。


だいたい90%以上の方が入社してくださっています。

エージェントさんにも「これは異例です!」と驚かれました。

高野: すごい数字ですね…!なぜ内定承諾率がこれほどまでに高いのでしょう?

粕井: ストーリーブックの影響は確実にあると思います。候補者ご本人だけでなく、ご家族に本を渡してくださることも多いんです。

こういう会社だから頑張ろうと思う、読んでみて」と。

そうやって、人から人へと伝わっていく。これは本という“形”があるからこその伝播の仕方だと思います。

天創堂 粕井

実は最近、取引先の元部長さんからリファラル(紹介)をいただいたんです。前から当社に多大なるお力添えを頂いていた“恩人”のような方です。

その方と久しぶりにお会いしたときに、「実は娘を粕井さんのところでお世話になれないか」と言われました。

聞けばお父さんがストーリーブックを読んで、それを娘さんに手渡してくださっていて。

すごくいい会社だから、面接を受けてみたらどうだ?
そう言って背中を押してくださったそうで。

結果、娘さんには正規の採用フローに則って面接の後入社してもらい、今とても活躍してくれています。社内での評価も、とっても高いんです!

高野:おぉ…良いお話…!

粕井: あとは、もう一つ大事なことがあって…あのストーリーブックが“スクリーニング”にもなっているんです。

例えば、「楽に働きたい」という方からすると、正直うちは大変だと思います。
挑戦していく会社なので、成長意欲が高くないと難しい。

だから本を読んで「自分には合わない」と思う方はそもそも応募してこない。

逆に前向きでチャレンジしたい人を引き寄せてくれている。そういう“合う人/合わない人”のふるい分けにもなっている感覚はありますね。

だから本当に作ってよかったと心底思っています。

ストーリーテラーズの支援について

高野: 最後に、ストーリーテラーズがご一緒させていただいた中で、「ここが良かった」と感じていただけた部分はありますか?

粕井: お世辞抜きで、本当に良かったと思っています。まず、「どういう目的で、どんな形の本にするか」という最初の提案からして的確でした。

“対談形式にする”という企画も、僕の性格を踏まえて提案いただけたので、とても自然に取り組めました。

進め方についても、こうした制作物は、スケジュールが遅れがちだと思うんですが、きっちりとオンスケジュールで進めてもらえたのはありがたかったですね。

あとは、インタビューの際も。

今回は高野さんに聞き手をしていただきましたが、話の引き出し方が本当にうまかったです。

興味を持って聞いてくださっているから、話す側も前のめりになりますし、いろいろな思い出が蘇ってきて…。深堀りながら、随所で核心に触れる質問もしていただいて、対談がすごく良い時間になりました。

そして、出版時のプロモーション。

Kindleの無料キャンペーンで無事にカテゴリー1位を取れたのも含めて、全体として“隙がない進行”という印象でしたね。

高野: ありがとうございます…なんだか言わせているみたいで恐縮です(笑)。

これまでは“思いを形にする”ことにかなり力を入れていたんですが、作って終わりではなく、「どう届けるか」まで含めてやらないと意味がない。

そのことを改めて痛感した一年でした。

そういうことも勉強させていただき、当社の事業領域も広がりました。本当に有難うございました。

粕井: とんでもないです。 今はAIでコンテンツが量産できる時代ですが、だからこそ“生の声”や“生の情報”に価値が出てくるはず。

ストーリーブックはまさにそこに位置するツールだと思いますし、今回作って本当によかったです。

これからも、ぜひいろいろご一緒させていただければ嬉しいです!

高野:こちらこそ、嬉しいお言葉をたくさんいただき、有難うございました!

編集後記

粕井さんからいただいた言葉は、制作に関わった身として何より嬉しいものでした。

そして何より、このストーリーブックがもたらした効果も。

今はAIが容易に文章を生み出す時代。ですが、粕井さんが話してくださった 「生の情報の価値はこれからもっと上がっていく」という言葉は、ストーリーテラーズが目指す方向そのもの。

思いを丁寧にすくい上げ、形にし、それを必要な人に届けていく。
その積み重ねが、企業の未来をつくり、人と人をつないでいく。

今回の取材は、私たちの役割を改めて確認する時間になりました。

粕井さん、ありがとうございました。

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