思えば、いろんなところで自己紹介を書いてきました。でも正直なところ、私自身、自分が何者なのかよくわかっていない気もします。
自分のことは、自分が一番わからない。
自己理解って、永遠のテーマですね。
1982年生まれ、43歳。そんなに生きた実感はないのに、気づけばもうこんな年齢に。
プライベートでは3人の子どもがいます。長女11歳、次女8歳、長男5歳。少しずつ手が離れてきて、バタバタとイライラする日々なのに、なぜか少し寂しい。
最近は、そんなことを感じています。
ナチュラリンク設立、そして挫折
ストーリーテラーズを始める前は、「株式会社ナチュラルリンク」という会社を経営していました。女性活躍推進のコンサルティングや企業研修を手がける会社で、2009年、私が27歳のときに設立しました。
新卒で入社した会社は研修会社で、おかげさまでトップセールス賞を3回いただき、その勢いで独立してナチュラルリンクを立ち上げたのですが、全く受注が取れない日々。
会社の看板がなくなり、何者でもない自分になったとき、「自分の信頼でお仕事を頂くってこんなにも難しいのか…1万円を稼ぐことって、こんなに大変だったのか…」と、現実を突きつけられ愕然としたのを今でも覚えています。
それでも研修やコンサルティングを続けながら、働く女性向けのメディアを立ち上げたり、本を書いたり、コラムやメルマガを書いたりして…思えば、ずっと「書くこと」に携わっていたのがなんとも不思議な話で。
当時から「書くことが好き」というわけではありませんでした。でも「書くことが苦手ではなく、書けと言われれば書ける」というレベルでした。
その後、結婚し、長女を出産。出産と出版を同じ日にするなど、力技でなんとか切り抜けていましたが(あの頃は若かったなー)、会社を思うように成長させられず、次女を出産するタイミングで専業主婦になりました。
2017年のことでした。
専業主婦からブロガーへ
当時の私に残ったのは、借金と仲間への申し訳なさ、罪悪感。完全に自信を喪失し、周囲が華々しく周りが活躍している様子を見るのも辛く、それまでやっていたSNSも全部やめて、ビジネスの世界からは完全に姿を消しました。
そして、
「もう二度と経営になんてチャレンジしない。自分には向いてないし、誰も幸せにできなかった。むしろ迷惑ばかりかけてしまった。これからは、もう仕事のことは忘れて、子育てに専念しよう」
そう決めました。
でも…蓋を開けてみると、専業主婦の生活は本当に大変で。いやほんとに、専業主婦の皆さんってすごい。本当にすごい仕事です。
一日中赤ちゃんのおむつを替えて、ご飯を作って、子どもを幼稚園に迎えに行って、その後公園に行って遊んで、買い物に行って、ご飯を作って、お風呂に入って子どもを寝かしつけて…。
自分の時間なんて皆無。毎日が飛ぶように過ぎていく。ただただエンドレスなループの日々。
このままでは、自分が自分ではなくなってしまいそう。
そう思って始めたのが、ポルシェのブログでした。(「なぜポルシェのブログなの?」 という話については、また改めて書こうと思います。)
ブロガーからストーリーテラーズ設立へ
とはいえ、無名で、車の知識も全く無い主婦が書くブログなど、読んでもらえるわけがありません。誰も興味ないよなと…。毎日毎日せっせと書いてもアクセスは増えないし、何の手応えもない日々が3ヶ月ほど続きました。
「どうしたらもっと読んでもらえるのだろう…」
色々と自分なりに工夫を重ねてたどり着いたのが、「いち主婦が、いつか自分のお金でポルシェを買うまでの道のりを綴る」というコンセプトでした。
それをきに、ブログのアクセスは伸び始め、夫の力も借りて、夫婦二人三脚で本腰を入れてブログの運営を開始した結果、2年後には月間40万PV、個人の車ブログで日本1位(ブログ村調べ)のブログへと成長することができました。
またその頃から「このブログを見てポルシェを買いました!」というメッセージをたくさん頂くようになり、数えてみたところ、その数なんと300通以上…!
一社目の起業で挫折して、誰も幸せにできなかったという罪悪感に苛まれていた私にとって、ブログを通じてたくさんの方の役に立てたという経験は、何にも代えがたい喜びとなりました。
ブログのアクセス数よりも、「自分も誰かの役に立つことができる」という実感を持てたことのほうが、ずっとずっと嬉しかった。
…そんな話を、以前から大変お世話になっていた、代表世話人株式会社の杉浦さんという方にお話したところ、「そういえば◯◯さんが、文章を書くのが得意な人を探しているよ。高野さんも前からよく知る社長だから、久々に話を聞いてみたら?」と言っていただいて。
「そうだなぁ。◯◯さんと話すのも数年ぶり。久しぶりに、近況報告でもできるといいな」
軽い気持ちでオンラインでお話し、今の自分のブログのことなどをお伝えしたところ、「それだけ書く力があるなら、会社作ったらどうや!?出資するから」と言っていただいたのです。
起業…!?出資!?え、何!?
あまりに突然のことで、状況もあまりよく把握できず混乱しましたが、できるかできないかは別として「やりたい!やってみたい!」という想いが、心の奥底からぶわっと溢れ出てきて。
経営なんて二度としないと思っていた。自分には事業を創り育てる才能なんてない、と完全に心が折れていた。
でも実際は、ものすごく悔しくて悔しくて、その気持ちに向き合うことができず、無理やり蓋をしていたんだろうな、とその時に気づきました。
そして、やるからには、今度こそうまくいかせたい。
当時、息子はまだ0歳。でも、今チャレンジしなければ絶対に後悔する。そんな想いで、ストーリーテラーズは生まれました。
今度こそ、うまくいかせたい
あれから、もう4年。走り続けてきた日々の中で、改めて思うことがあります。
それは、人の想いが、100年後も生き続ける社会をつくりたいということ。
インタビューを通じて、たくさんの方々の人生や想いに触れてきました。ときには、話されながらお互いに涙してしまう瞬間もあったり、読んだ方から背中を押された、というメッセージを頂くことも増えてきました。
そのたびに思います。
こられらの話は、今の時代を生きる人達に、というだけではなく、50年後、100年後の次世代を作る人達のためにも、残していかなければいけないと。
採用や広報支援で、結果につなげていくことはもちろん大切。そのために私たちも、目の前のお客様のご支援を精一杯やってきました。
でも、それだけではなく、
「いま、ここで残すこと」が、未来のどれだけ大きな価値になるのか。
そこまで見据えて仕事をする。
そのためにはストーリーテラーズ自身が、
- 100年後にも必要とされる仕事をすること
- 次の世代に「継ぎたい」と思ってもらえる事業・財務・人を育てること
- 社会に、なくてはならない会社であること
そうしたことを考えながら、今こうして言葉を残し、思考を記録しながら、ブログを書いています。
次の記事からは、もっと実用的なことであったり、お役に立つノウハウのことも発信していこうかなと。
それらが誰かの参考になったり、新しい挑戦の背中を押せる場所になれたら嬉しいです。