採用広報や企業発信に取り組もうとして、ブログやSNSを始めたものの、続かなかった。そんな経験を持つ方は、少なくないと思います。
私自身もそうです。
「これからは発信に注力しよう!」と思いつつ、創業期はそれ以外の業務に追われて、発信の優先順位が下がり、結局IDを取得したのにいつの間にか何も投稿しなくなってしまった…ということはざらにありました。
発信がなぜ続かないのか。理由は色々ありますが、
- すぐに結果を求めすぎてしまう(結果がでないので途中でやめる)
- 途中で目的を見失ってしまう(何のためにやっているのかわからなくなってしまう)
- ネタが尽きてしまう(書くことが無い)
といったところが大きいでしょうか。
私も2017年からは、ポルシェブロガーとして発信を続けてきましたが、「この記事は練りに練って書いたからきっと反響が大きいはず!」と準備を整えて投稿しても、全くアクセスが伸びなかったり、逆に何気なくささっと投稿した内容が思わぬ反響を呼ぶこともありました。
発信の反応は、計画通りにはいかないものです。
だからこそ一番大切なのは、
「発信を続ける」と決めること。
状況にあわせて、掲載する媒体(ブログ、X、note、YouTube…)は変わっていくことがあっても、また、コンセプトや内容が変わっていっても、「続ける」と決めた人・企業だけが見られる景色があるんです。
発信は「やってみて初めて」焦点が合ってくる
最初から発信の目的やターゲットがハッキリ見えているケースはほとんどないように思います。だからといって、そのあたりについての戦略を緻密に練るよりも、「採用のため」「自社の認知拡大のため」という大きな目的を決めたなら、まずは発信してみることの方が大切です。
- 読者やフォロワーの反応
- シェアやコメントの内容
- どんな話題に共感が集まるか
発信の数を重ねることで、だんだん発信の焦点が合い、「軸」や「コンセプト」が育っていきます。もちろん、最初にコンセプトを熟考するのも良いと思いますが、それに固執せず、やりながらコンセプトが変わることもあっても良いと、私は思います。
NPO法人D×P(ディー・ピー)さんとの取り組みから見えてきたこと
ストーリーテラーズでは、若者の孤立や貧困に向き合う「認定NPO法人D×P(ディーピー)さん」の発信や対談記事制作に伴走しています。
もともとは、法人企業の寄付や支援の輪を広げるために、支援先の社長とD×Pの代表理事の対談記事(主に支援の意図や意義について)を作るところからはじまりました。
すると、思った以上に反響があったため、他の支援企業の社長にも話を聞き、対談を継続するようになり…次第に、社長が語る内容には大きく2つの軸があることがわかってきました。
まず多くの方が、支援に関心を持つ理由として、自分自身の過去の経験(原体験)を語って下さいました。
- 「自分も若い頃、居場所がなかった。だから今の若者に何か少しでもできることをしたい。」
- 「自分にも昔、支えてくれた人がいたから今の自分がある。同じように誰かの力になりたい。」
「自分も似た苦しみや孤独を経験したことがあるからこそ、共感し、支援したい」という感情をお話頂ける方がとても多かったのです。
もうひとつは「今の若者の現実を、D×Pさんと出会うまでは全く知らなかった」という声。実は私もそう感じていたうちの一人です。
- 「正直、若者の孤立や貧困のことなんて知らなかった」
- 「なんとなく知っていたけれど、自分ごとではなかった。まさかこんな身近で起きていたなんて…自分もなんらかの形で支援したい」
つまり、知ることによって衝撃を受けて、支援につながったというものです。
原体験からくる共感と、現実を知ったことから生まれる問題意識。
出発点は違っても、社長の皆さんのお話の根っこは、同じところに行き着いていました。
「だからこそ、まず知ること、知らせる発信が大切!」
この頃から、記事の焦点も「法人の支援を促すもの」ではなく、「知ることから始まる」「原体験が人を動かす」という内容へと自然にシフトしていきました。
そして発信を続けて1年ほど経った頃から、「この記事に心を動かされ、寄付をさせていただきました」「次回の配信を今から楽しみにしています」といった声が私にも届くようになり、新しい支援者の輪が広がるようになりました。
外部パートナーの役割の大切さ
続けることが大切。続けなければ意味がない。だとわかっていても、社内だけで発信を続けるのは、本当に大変です。通常業務がある中で、広報や発信に対する優先順位が下がってしまうのは当然のこと。
だからこそ私たちのような外部パートナーが存在するのだと思っています。
- 発信の優先順位を上げる(ある意味やらざるを得ない状況を創る)
- 「この切り口をもっと出すといいですね!」とテーマだしやアイデア出しから関わる
- 初めの目的を見失わないよう、ともに伴走する
ただ記事を書くのではなく、「目的をともに達成するチーム」として動くこと。それが私たちストーリーテラーズの役割です。
発信の成果は、1回や2回では見えてきません。
続けるからこそ、焦点が合い、共感が生まれ、人が動き出す。
まずは、発信を続けること。途中書けなくなったとしても、やめないこと。そのことの大切さを、自分たち自身が体現しながら、お客様にも伝えていけるといいなと思います。