「記事を書こうと思うけど、何を書けばいいかわからなくて筆が止まるんです」
企業の広報担当の方から、よくそんな声をお聞きします。
「なんにも考えずにスラスラ書ける人が、うらやましい」
「私は文章がそこまで得意じゃないから…」
そうおっしゃる方も多いですが、私も、筆が止まることがよくあります。
「今日は何を書こうかなぁ…」と考えては、思考が停止してしまうことも。
「書く」という行為は、実はとてもクリエイティブな作業なんですよね。
なにせ、ゼロから何かを生み出すことですから。
すでに流れができあがった業務をこなすのとは違って、「さて、何を書こうか」から始まる。
ゼロイチは、やっぱり大変ですよね。
しかも、自分が好き勝手に書けばいいのではなく、「会社の看板を背負って書く」となれば、そりゃ筆も止まります。むしろ、何の迷いもなくスラスラ書けるほうがおかしいかもしれない(笑)。
だから、筆が止まるのは当たり前のこと。それだけ、ちゃんと責任を持って向き合っている証拠です。
最初からホームランを狙わなくていい
記事発信を始めて最初のうちは、その内容について深く考えすぎなくていいと思います。
考えすぎると、書けなくなるからです。
また、これから記事を書いていく中で「1本で大バズり!」などという奇跡は、まず起きません(笑)
最初からホームランを狙う必要はなく、ヒットでいい。いや、出塁できれば十分。誤字脱字がなく、ちゃんと記事として形になっていれば、まずはそれでOKです。
書く流れを決めるだけで、ぐっと書きやすくなる
記事を書く流れはざっくり言うと、
「テーマを決める → 構成を決める → 書く → 見直す」。
この中でも特に、最初の2つができれば、記事は書けたも同然。
そしてここは、大いにAIを活用したい部分ですよね。人間の頭だけでのゼロイチが大変なときこそ、AIにアシストしてもらう。
そうやって、できるだけ負担なくテーマや構成を決めていけるのがいいと思います。
私は『ChatGPT』、『Claude』、『Gemini』を主に使っていますが、下記のようにざっくりと指示を出します。(今回はChatGPT)
採用記事を書きたいので「テーマ」と「構成」を考えてほしい。
・自社は株式会社ストーリーテラーズという会社です。
https://www.story-tellers.jp/
・ストーリーの力で、採用・広報・ブランディングを支援しています。
・今回はディレクター兼ライター職の募集記事。
応募者が「ここで働きたい」と思える内容にしたい。
・1500文字程度、毎週1本ペースで更新予定。
もっとちゃんとしたプロンプトを作ればいいのでしょうが、私はAIと会話、壁打ちしながら作っていくのが好きなので、このくらいのラフな感じでやり取りをしています。(というかプロンプトを考えるなど苦手…)
こうして頼むと、AIが構成や見出し案を出してくれるのですが、ちなみに上記の指示では下記のような内容を出してくれました。
AIが作ってくれた構成案
ストーリーテラーズさんの「ディレクター兼ライター職」の採用記事ということで、「人の想いを引き出し、形にする仕事」への共感を呼びながら、会社の理念と働く姿を自然に伝える構成にしましょう。
まずは、第1本目(継続連載の最初の記事)にふさわしい「テーマ」と「構成案」をご提案します。
🏷 テーマ案
「ストーリーで、人と企業をつなぐ。──私たちが“書く”に込めている想い」
テーマの意図
- 会社の根幹である「ストーリーの力」を採用文脈に接続。
- 「ただ書く仕事ではない」ことを伝える。
- “書く”を通じて「人の想いを紡ぎ、価値を言語化する」姿勢に共感する人を惹きつける。
✏️ 記事構成案(全体1500字程度)
① 導入:なぜ「ストーリー」なのか(約300字)
企業の採用や広報において、「何を伝えるか」よりも「どう伝わるか」が問われる時代。
そんな中で、ストーリーテラーズが大切にしているのは、“ストーリーの力”です。
1本の記事が、人の心を動かし、会社の未来を変える。
私たちは、そんな瞬間を創るために、「書く」仕事をしています。
② 仕事紹介:ディレクター兼ライターの役割(約400字)
ストーリーテラーズのライターは、単なる文章制作ではなく、**「ストーリーの設計者」**です。
クライアントの経営者や社員へのインタビューを通じて、課題や想いの根っこを掘り下げ、
採用・広報・ブランディングの目的に応じたストーリー構成を考えます。
執筆だけでなく、取材・構成・企画立案・クライアントとの打ち合わせにも関わり、
「この企業らしさを、どう伝えるか?」をチームで磨き上げていく仕事です。
③ 仕事のやりがい・難しさ(約400字)
クライアントによって、課題も想いもまったく異なります。
「どう表現すれば伝わるか?」を考え抜くプロセスは、簡単ではありません。
でも、取材後に「自分の想いを整理できた」「言葉にしてもらえてうれしい」と
社長や社員の方が語ってくださる瞬間に、この仕事の価値を実感します。
文章力よりもまず、“人の話を聴く力”が大切。
「相手の中にあるストーリーを見つけること」が、私たちの仕事の出発点です。
④ チームと働く環境(約250字)
メンバーは、元編集者、元広報、ライター経験者など、多様なバックグラウンドを持つ人たち。
SlackやNotionを使ってリモートでも連携しながら、案件ごとにチームで企画を立てます。
社内では「言葉を磨く勉強会」や「記事合評」もあり、互いに学び合う文化があります。
⑤ 結び:あなたに伝えたいこと(約150字)
ストーリーテラーズの仕事は、文章を“つくる”ことではなく、想いを“つなぐ”こと。
「人の心を動かす仕事がしたい」
「言葉で、誰かの人生を変えたい」
そんな想いを持つ方と、一緒に歩んでいけたら嬉しいです。
これだけで、構成としてはおおかた記事になっていますよね。ここに、具体的な内容を入力していけば、比較的簡単に記事は完成すると思います。
AI任せにせず、「自分の言葉」を入れる
ただし、ここで注意点が。
AIが書いた文章をそのまま記事として出すことはおすすめしません。AIの文章はよく整っていますが、逆にきれいすぎて、読むとなんとなく「AIっぽい」とわかります。
また時に、作り話が入っていることも多かったり、大げさ過ぎる表現が含まれていることもあります。(もちろん、入力時に自分が話した内容の文字起こしを読み込ませれば、よりリアルな出力になりますが)
ですから一旦は「AIには構成を考えてもらう」ことにとどめて、その構成に、自分で言葉を足していくところからスタートするのがオススメ。
そうすると、起承転結の流れは読みやすい上に、人の手で書いたゆらぎや温かさの入った文章になります。
完璧を目指すより、まず形にする
そして最後に。書けるようになる一番のコツは、やはり“量”です。なんでもそうですが、質を高めるには量をこなすしかありません。
「月に1本、完璧な記事を出そう」と頑張るよりも、「2日に1回、ライトな内容を書く」ほうが、圧倒的に執筆スキルと速度は上がります。
今の時代はAIも出てきているので、AIにアシストしてもらえれば、格段にスピードはアップするはず。
完璧じゃなくていい。
まずは出してみる。
その繰り返しが、遠回りに見えていちばんの近道です。
考えすぎず、まずは出す。
発信の第一歩は、そこから。
一緒に、頑張りましょう!